南アフリカにおける人種紛争の問題

会議設定

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議題:南アフリカにおける人種対立 


議場:第18会期安全保障理事会 


使用言語:全て日本語 


設定日時:1963年8月7日 


募集人数:15~30人

フロント

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会議監督:
荒井杏太(東京大学・4年・駒場研究会・神メン)


議長:
三村涼(東京大学・4年・駒場研究会・神メン)


セク:
菅谷鞠子(東京大学・4年・駒場研究会・神メン) 

太栄詞(東京大学・3年・駒場研究会・神メン )

会議テーマ

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“The Classic”

このThe Classicというテーマは、模擬国連の王道を体感してほしいという想いが込められています。昨今の模擬国連の発展に伴い、クライシス会議や議場分割会議など、様々な新しい形態の会議が現れています。そのような、多様な形態の会議があることも模擬国連の魅力の一つですが、私たちはあえてシンプルな設計の会議を作ることで、模擬国連の原点に立ち返ることができるような会議を作ろうと考えました。なぜなら、複雑な設計を排除したベーシックな会議でこそその人の地力が問われるからです。サッカーでいう「止めて、蹴る」、これが上手い選手がどんな場面でも一定以上の実力を発揮できるように、基礎の精度を高めることが地力を高めることに繋がります。今会議をとおして、参加者の皆様が今一度基本を見つめ直し、自らの地力を鍛え直す機会を提供できればと思っています。

会議設計の特徴

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1. 王道 

テーマのところでも書いたように、この会議はシンプルさを追求しています。クライシスや議場分割等の特殊要素はございません。議場は安保理で、時代設定は冷戦期、模擬国連をやっていれば誰もが経験したことのある設定の中で鎬を削っていただきます。

2. 競技性

2つ目の特徴は競技性が担保されていることです。具体的には始めから国益達成が著しく困難または容易な国家がいないことです。特定論点だけに国益を持ついわゆるワンイシュー国家や、会議設定によって国益達成が実質不可能な国が存在しません。全ての国が濃淡こそあれ、一定の国益を論点全てについて持っており、その達成難度も著しく異なることはありません。また、今会議は南アフリカが欠席であるため、紛争当事国が参加する会議でありがちな、最終決定において当事国以外の国が議論から排除されるようなことも起こり得ません。このように、参加者が国益達成を目指す競技として模擬国連を見たとき、できる限りフェアな環境を整えています。

3. 狭く深く

今会議で話し合うことは、アパルトヘイトの性質とそれについての対応だけです。争点は二つだけですが、参加者の皆様にはこの二つを徹底的に深掘りしていただきます。その過程で、内政不干渉原則や自決権、人権、国連憲章6章、7章など様々な国際法についての理解に加え、当時並行して議論されている他の議題についての理解も必要となってきます。また、1963年という自由権規約や友好関係原則宣言などが採択されていない時代だからこそ、ロジックを考える過程では国連憲章起草の時代の議論を追う必要があるかもしれません。たった二つの争点ですが、それを深掘りする過程で様々な要素を如何に有機的に結びつけて考えられるかが重要です。リサーチはかなり大変だと思いますが、経験豊富な神メンフロントがサポートしますのでご安心を。

議題解説

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今会議は南アフリカにおける人種対立、いわゆるアパルトヘイトが問題となった会議です。アパルトヘイトとは、南アフリカにおける人種隔離政策のことです。白人政権によるこの政策により南アフリカの非白人は政権の指定する土地に追いやられ、移動の自由や参政権などの基本的人権が剥奪されました。この南アフリカの政策に対し、総会と安保理は度々非難決議を出しており、アパルトヘイト政策を撤廃するよう要請しています。例えば、人種差別に反対するデモに警官が発砲し、69人が死亡したシャープビル事件後の安保理では「南アフリカの事態は…継続すれば国際の平和及び安全の維持を危うくする」とまで認定しています。さらに、今会議の直前、1962年に行われた総会では経済制裁を要請する文言が採択され、同決議内では安保理に対して制裁を含む適当な措置、必要な場合には国連から除名することまでも求めています。このように度重なる総会決議、安保理決議が出ているのにも関わらず、南アフリカは強気な態度を崩さず、アパルトヘイト政策を撤廃するどころか強化しました。

南アフリカの強気な態度の背後には西欧諸国との強い経済的な結びつきがあります。経済的なやりとりを制限するような制裁を加えたくない西欧諸国と、アパルトヘイト政策をやめさせるために厳しい経済制裁を加えたいAA諸国の衝突が本会議の主要な対立軸となるでしょう。それに加え、冷戦や地域的な慣習を背景として南米諸国や社会主義国がそれぞれの利益をもって関わってきます。

本会議は経済制裁を要請した1962年の総会を受けて開催された安保理です。これまで非難にとどまり、強制措置をはじめとする実効的な措置を取ることを避けてきた安保理がアパルトヘイト政策にどのような対応をとるべきかについて考えていただくのが本会議です。

論点解説

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近日公開

国割

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ブラジル
中国
フランス
ガーナ
モロッコ
ノルウェー
フィリピン
ソ連
イギリス
アメリカ
ベネズエラ
チュニジア
リベリア
シエラレオネ
マダガスカル

参加者の方へのメッセージ

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【荒井】
こんにちは、本会議でディレクを務める荒井です。

今会議はコンセプトに示しているように「王道」の会議を目指しています。ただ、「王道」なんて研究会とか時代によって異なるものだと思います。そんなことは百も承知でこの会議を作ろうとしているわけで、要は僕たちフロントの考える「王道」をこの会議で示すことができたらいいなと思っているということです。

今会議のフロントは駒場神メン4人という少々威圧的なメンツですが、参加者のうち新旧メンの皆さんからしたら、コロナの影響で模擬国連が変わっていることもあって、我々フロントの思う「王道」など古典に近いものでしょう。そのような意味も含めて、コンセプトは”The Classic”にしているわけです。
また、願わくば、今後の模擬国連にとっても「王道」となる型が示すことができたらという野心も持ってフロント一同本会議作成に臨んでおります。

そんな神メンのエゴに溢れた会議ですが、それでも参加しようと思ってくださる皆様には、神メン4人の経験・知識を総動員してサポートしたいと考えていますし、皆様にとって体験する価値のある古典、王道を提供できるよう全力を尽くす所存です。

タフな会議になると思いますが、一緒に王道を歩む覚悟のある方、僕らの作る古典に興味がある方、また単純にレベルの高い会議に参加したいと思っている方、様々な方のご参加をお待ちしております。

 

【三村】

こんにちは、議長を務めさせていただく三村と申します。

コンセプトから分かるように、この会議は模擬国連の王道を示さんとして作られた会議です。ここで「王道」という単語を用いることがいかに挑戦的で、いかに不遜であるかということは重々承知しています。しかし私たちは、今の模擬国連に最も必要なものこそがこの王道、模擬国連の会議における基幹たりうる会議なのだと確信しており、僭越ながら”The Classic”というコンセプトのもと会議を作ることを決意しました。

これからの模擬国連を担っていく皆様に、これが基幹なのだと謳うことが許されるような会議を示せるように全力を尽くします。また、これからの模擬国連の王道を歩み形成してやろうというような野心に満ちた皆様の参加を、心からお待ちしております。

 

【菅谷】

会議設計の特徴にもある通り、本会議はシンプルでありながらも総合的な力が求められる会議です。

フロント一同、会議設計の特異性に頼ることなく、ロジックの構成から戦略の構築まで全てのステップにおいて100%の力を注がなければならない、そんな会議を通じて地力を高めてきました。

本会議が、参加者の皆さんにとって自らの総合的な基礎力を鍛え上げる機会となることを願っています。

楽しみにしています!

 

【太】

こんにちは、太こと秘書官界のエベレストです。

この会議はかなり難解な、まさに全国大会と言うべき会議になるんじゃないかなと思っています。なのでデリの皆様には多くのリソースを割いていただくかもしれませんが、シンプルな会議だからこそ、真摯に向き合った分だけ地力として還元されると思います。そのためにもフロント一同、眠い目を摩擦熱で火が出るくらい擦ってリサーチをしていますので、何かブレイクスルーが欲しい方、模擬国連で一つ上のステップに行きたい方はぜひともアプライしていただければと思います。

最後になりますが、アプライしていただいた数だけ喜びの涙を流しますので、何とぞ皆様の清き1ヶ月をよろしくお願いいたします。